Q. フレックスタイムと変形労働時間制の設定上の違いは?
A.
フレックスタイム制と変形労働時間制では、集計項目・集計ロジックに違いがあります。
それぞれの労働形態に合わせた集計項目・集計ロジックになっていますので、各集計項目の集計ロジックをご確認いただき、最適な労働形態を選択していただきますと幸いです。
【基本】
業務の閑散に合わせてカレンダー・シフトが定められている場合は「変形労働時間制」を設定していただき、
従業員に始業/終業時刻を自由に選択させる(カレンダーやシフトが無い)場合は「フレックスタイム制」を設定していただければと思います。
【関連】
【はじめてのハーモス勤怠 】フレックスタイム制、裁量労働時間制など正しく労務形態を設定する方法
労働形態ごとの集計項目について
[システム管理>勤怠設定]画面より「変形労働時間制」「フレックスタイム制」等のチェックを入れ、[システム管理>社員]画面より各社員の労働形態を設定すると、「日次勤怠」画面のページ下部の集計欄に労務形態ごとの特有の集計項目が追加されます。
[日次勤怠]画面下部
「所定労働時間」や「残業時間」等の集計項目に差異がありますので、それぞれの計算ロジックをご紹介いたします。
▼参考FAQ
Q. 各労働形態の計算ロジックを知りたい
変形労働時間制の集計項目
※緑色の枠で囲まれている「所定外労働時間」「法定外労働時間」は、[システム管理>勤怠設定>勤務形態タブ]で設定した「残業時間計算の対象」の設定によって、計算ロジックが異なります。
○総労働時間
[勤務時間] の [総労働時間]
○法定内労働時間
[勤務時間] の [所定内労働時間] + [法定内時間外労働時間]
○法定労働時間
勤怠設定の [法定労働時間:1ヶ月単位の総枠]
○所定時間(変形労働用)
月度内 の 日次勤怠に設定されている勤務区分 の [所定時間] の合計
○法定休日労働時間
[勤務時間] の [法定休日労働時間]
※次の「所定外労働時間」「法定外労働時間」の2項目は、[システム管理>勤怠設定>勤務形態タブ]の設定により集計ロジックがことなります。
(残業時間計算の対象:総労働時間 – 法定休日労働時間 と設定した場合)
○所定外労働時間
[総労働時間] – [法定休日労働時間] – [所定時間(変形労働用)]
○法定外労働時間
[総労働時間] – [法定休日労働時間] – [法定労働時間]
(残業時間計算の対象:法定内労働時間 と設定した場合)
○所定外労働時間
[法定内労働時間] – [所定時間(変形労働用)]
○法定外労働時間
[法定内労働時間] – [法定労働時間]
フレックスタイム(所定時間超)
○法定労働時間
勤怠設定の[法定労働時間] で設定した時間
○所定時間
月度内 の カレンダーの勤務区分 の [所定時間] の合計
○本日までの総労働時間
月初から本日まで の 日次勤怠 の [総労働時間] の合計
○本日までの所定時間
月初から本日まで の カレンダーの勤務区分 の [所定時間] の合計 ※カレンダー区分:勤務区分下段のグレー表示の区分
○本日までの法定休日労働時間
月初から本日まで の 日次勤怠の [法定休日労働時間] の合計
○本日までの労働時間(法定休日を除く) ※計算用項目なので画面表示は無し
[本日までの総労働時間] – [本日までの法定休日労働時間]
○本日までの所定内労働時間 ※計算用項目なので画面表示は無し
[本日までの労働時間(法定休日を除く)] と [本日までの所定時間] の小さい方
○一日の法定労働時間 ※計算用項目なので画面表示は無し
勤怠設定の [法定労働時間] で設定した時間 ÷ 月の日数
○本日までの法定労働時間 ※計算用項目なので画面表示は無し
月初から本日まで の [一日の法定労働時間] の合計
○本日までの残業時間:36
[本日までの労働時間:36(法定休日を除く)] – [本日までの法定労働時間]
○本日までの残業時間
[本日までの総労働時間] – [本日までの法定休日労働時間] – [本日までの所定内労働時間]
○本日までの不足時間
[本日までの所定時間] – [本日までの総労働時間] – [本日までの法定休日労働時間] (マイナス値の場合は0h)
フレックスタイム(法定労働時間超)
○法定労働時間
勤怠設定の[法定労働時間] で設定した時間
○所定時間
月度内 の カレンダーの勤務区分 の [所定時間] の合計
○本日までの総労働時間
月初から本日まで の 日次勤怠 の [総労働時間] の合計
○本日までの所定時間
月初から本日まで の カレンダーの勤務区分 の [所定時間] の合計 ※カレンダー区分:勤務区分下段のグレー表示の区分
○本日までの法定休日労働時間
月初から本日まで の 日次勤怠の [法定休日労働時間] の合計
○本日までの労働時間(法定休日を除く) ※計算用項目なので画面表示は無し
[本日までの総労働時間] – [本日までの法定休日労働時間]
○本日までの所定内労働時間 ※計算用項目なので画面表示は無し
[本日までの労働時間(法定休日を除く)] と [本日までの所定時間] の小さい方
○一日の法定労働時間 ※計算用項目なので画面表示は無し
勤怠設定の [法定労働時間] で設定した時間 ÷ 月の日数
○本日までの法定労働時間 ※計算用項目なので画面表示は無し
月初から本日まで の [一日の法定労働時間] の合計
○本日までの法定内労働時間
[本日までの総労働時間(法定休日を除く)] と [本日までの法定労働時間] の小さい方
○本日までの法定内残業時間
[本日までの法定内労働時間] – [本日までの所定内労働時間]
○本日までの法定時間外残業時間
[本日までの残業時間] – [本日までの法定内残業時間]
○本日までの残業時間
[本日までの総労働時間(法定休日を除く)] – ([本日までの所定内労働時間] と [本日までの法定内労働時間] の小さい方)
○本日までの不足時間
[本日までの法定労働時間] – [本日までの総労働時間] – [本日までの法定休日労働時間] (マイナス値の場合は0h)
フレックスタイム(法定労働時間超)と(所定時間超)
「所定時間超」のフレックスタイム制と、「法定労働時間超」のフレックスタイム制の違いや設定方法については、以下の記事に詳細をまとめております。
▼参考記事
【ハーモス勤怠 の使い方】フレックスタイム制の3つの運用方法
「法定労働時間超」のフレックスタイム制
■1ヶ月単位の総労働時間
(暦日)28日 ーー(法定労働時間)160.0時間
(暦日)29日 ーー(法定労働時間)165.42時間
(暦日)30日 ーー(法定労働時間)171.24時間
(暦日)31日 ーー(法定労働時間)177.06時間
上記のように、清算期間内の労働時間が「法定労働時間(もしくは会社で定められた時間)」を超過した分を残業代として支払う場合は、「③フレックスタイム(法定労働時間超)」の設定をお願いします。
「所定時間超」のフレックスタイム制
(例)
1日7時間×月20日勤務=所定140時間
1ヶ月の労働時間が、所定140時間を超過した分を残業とする
のように、暦日ごとに定められた「法定労働時間」ではなく、月の所定労働時間を超過した場合に残業時間と集計する場合は、「①変形労働時間制」もしくは「②フレックスタイム(所定時間超)」の設定をお願いします。
なお、この場合、日次勤怠画面をもとに所定労働時間を集計いたしますので、必ずシフトの設定を行なっておく必要がございます。
(例えば、カレンダー設定やシフト設定を行なっておらず、30日全てを「出勤」として日次勤怠生成してしまうと、8時間×30日=240時間が1ヶ月の所定時間になってしまうため)
詳細は以下の記事をご覧ください。