Q. 【年末調整】親族関係書類・送金関係書類とは?
A.
年末調整において、非居住者である親族を扶養親族として控除を受ける場合、親族関係書類と送金関係書類を源泉徴収義務者に提出又は提示しなければならないこととされています。
出典:国外居住親族に係る扶養控除等の適用について(国税庁HP)
「親族関係書類」とは
次の①又は②のいずれかの書類で、非居住者である親族があなたの親族であることを証するものをいいます。 (外国語で記載された書類の場合は、日本語での翻訳文の添付も必要です。)
① 戸籍の附票の写しなど日本国又は地方公共団体が発行した書類及び非居住者である親族の旅券の写し
② 外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類(非居住者である親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載があるものに限ります。)
【主な留意事項】
○ 外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類は、例えば、戸籍謄本、出生証明書、婚姻証明書などの書類が該当します。
○ 1つの書類だけでは、非居住者である親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の全てが記載されていない場合や、非居住者である親族があなたの親族であることを証明することができない場合は、複数の書類を組み合わせることにより証明する必要があります。
○ 扶養控除等の対象となる親族は、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族になります
「送金関係書類」とは
次の書類で、あなたがその年において非居住者である親族それぞれの生活費又は教育費に充てるための支払を行ったことを明らかにするものをいいます。 (外国語で記載された書類の場合は、日本語での翻訳文の添付も必要です。)
① 金融機関が発行した書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引によりあなたから非居住者の親族に支払をしたことを明らかにする書類
② いわゆるクレジットカード発行会社が発行した書類又はその写しで、非居住者の親族がそのクレジットカード発行会社が交付したカードを利用して商品の購入や役務提供を受けたことに対する支払をしたことにより、その代金に相当する額の金銭をあなたから受領し、又は受領することとなることを明らか にする書類
③ 電子決済手段等取引業者(電子決済手段を発行する一定の銀行等又は資金移動業者を含みます。)の書類又はその写しで、その電子決済手段等取引業者が行う電子決済手段の移転によりあなたから非居住者である親族に支払をしたことを明らかにする書類
【主な留意点】
○ 送金関係書類には、例えば、次のような書類が該当します。 なお、知り合いの方に依頼して生活費等を現金で非居住者である親族に渡している場合などは、送金関係書類がないことになり、扶養控除等の適用を受けることができませんのでご注意ください。
① 外国送金依頼書の控え
- その年において送金をした外国送金依頼書の控えである必要があります。
② クレジットカードの利用明細書
- クレジットカードの利用明細書とは、あなたがクレジットカード発行会社と契約を締結し、非居住者である親族が使用するために発行されたクレジットカードで、その利用代金をあなたが支払うこととしているもの(いわゆる家族カード)に係る利用明細書をいいます。この場合、その利用明細書は家族カードの名義人となっている非居住者である親族に係る送金関係書類として取り扱います。
- クレジットカードの利用明細書は、クレジットカードの利用日の属する年分の送金関係書類となります。
③ 電子決済手段等取引業者に対して電子決済手段の国外移転の依頼をする場合の依頼書の控え
- 「電子決済手段等取引業者」とは、電子決済手段の売買又は他の電子決済手段との交換などの電子決済手段等取引業を行う者として、内閣総理大臣の登録を受けた者をいいます。また、「電子決済手段」とは、いわゆるステーブルコインのうち法定通貨の価値と連動した価格で発行され、発行価格と同額で償還を約するもの及びこれに準ずる性質を有するものとして、資金決済に関する法律第2条第5項に掲げる電子情報処理組織を用いて移転することができる財産的価値などをいいます。
- 依頼書は、その年において電子決済手段の国外移転をした依頼書の控えである必要があります。
○ 複数人の非居住者である親族について扶養控除等の適用を受ける場合は、その親族ごとに送金等を行うことが必要となります。 したがって、例えば、配偶者と子が非居住者である親族に当たる場合で、配偶者に一括して生活費を送金しているときは、その送金関係書類は配偶者に係る送金関係書類には該当しますが、子に係る送金関係書類には該当しないことになります。
○ 送金関係書類については、扶養控除等の適用を受ける年に送金等を行った全ての書類を提出又は提示する必要があります。 ただし、同一の非居住者である親族への送金等が年3回以上となる場合には、一定の事項を記載した明細書の提出とその非居住者である親族へのその年最初と最後に送金等した際の送金関係書類の提出又は提示をすることにより、それ以外の送金関係書類の提出又は提示を省略することができます。 なお、この場合は提出又は提示を省略した送金関係書類をあなたが保管する必要があります。