Q.  特例措置(週44)とは?

A.

特例措置(週44)とは?

週の法定労働時間の特例として、週44時間を法定労働時間とできる事業があります(特例事業)。
[システム管理>勤怠設定]画面にある「特例措置(週44)」は、その特例措置に関する項目です。

労働基準法 施行規則 第二十五条の二
使用者は、法別表第一第八号、第十号(映画の製作の事業を除く)、第十三号及び第十四号に掲げる事業のうち、常時十人未満の労働者を使用するものについては、法第三十二条の規定にかかわらず、
一週間について四十四時間、一日について八時間まで労働させることができる。

出典:e-Gov法令検索「労働基準法施行規則

ハーモス勤怠 by IEYASUの設定画面において、「特例措置(週44)」の項目を設定していた場合、
法定内労働時間(所定内労働 + 法定内時間外労働) が、週44時間超過分(変形労働時間制などの場合は1ヶ月の総枠を超過した分)を残業時間として計上できるようになります。

2種類の運用方法

この特例措置は「1ヶ月単位の変形労働時間制」や「清算期間1ヶ月のフレックスタイム制」の場合でも適用されます。

労働基準法 施行規則 第二十五条の二③ 
(前略)
次に掲げる事項を定めたときは、その協定で第二号の清算期間として定められた期間を平均し一週間当たりの労働時間が四十四時間を超えない範囲内において、第一項に規定する事業については同項の規定にかかわらず、一週間において四十四時間又は一日において八時間を超えて、労働させることができる。
(中略)
二 清算期間(その期間を平均し一週間当たりの労働時間が四十四時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、一箇月以内の期間に限るものとする。次号において同じ。
(後略)
出典:e-Gov法令検索「労働基準法施行規則

ハーモス勤怠 by IEYASUの場合、単純に、週の法定内労働時間が44時間を超過した場合を残業として集計する運用方法だけでなく、月の法定内労働時間が1ヶ月単位の総枠を超過した場合を残業として集計する運用方法にも対応できます。

【関連】
Q. 週40時間超の集計をしたい
Q. 1か月変形の集計をしたい

つまり、「週40時間超の集計」機能と「特例措置(週44)」の機能を併用する方法と、「1か月変形の集計」機能と「特例措置(週44)」の機能を併用する方法の2種類の運用方法があります。

「週40時間超の集計:集計する」&「特例措置(週44):対象」

週内の 法定内労働時間(所定内労働 + 法定内時間外労働) の44時間超過分
残業時間/残業時間36/法定時間外労働 の日次集計および下部月次集計欄に計上される仕組みになります。

「1ヶ月変形の集計:集計する」&「特例措置(週44):対象」

月内の 法定内労働時間(所定内労働 + 法定内時間外労働) が1ヶ月単位の総枠(週44)を超えた分
残業時間/残業時間36/法定時間外労働 の日次集計および下部月次集計欄に計上する仕組みになります。

【注意】
「週40時間超の集計」「1ヶ月変形の集計」の集計を「集計しない」と設定したままで「特例措置(週44):対象」と設定しても、特例措置の集計はされませんのでご注意ください。

それぞれの運用方法について、設定方法と集計方法をご案内します。

【設定方法】「週40時間超の集計:集計する」&「特例措置(週44):対象」

1)勤怠設定

[システム設定>勤怠設定>集計期間・36協定タブ]より以下の設定を行います
・週の開始曜日

[システム設定>勤怠設定>勤務形態タブ]より以下の設定を行います
・週40時間超の集計:利用する
・特例措置(週44):利用する

2)社員設定

[システム設定>社員]より以下の設定を行います
・週40時間超の集計:集計する
・特例措置(週44):対象

【集計方法】「週40時間超の集計:集計する」&「特例措置(週44):対象」

集計事例

上図の例の場合、12時間働いた6日(木)の勤務では、4時間が時間外労働時間に計上されます。
一方、8日(土)の勤務については、週の法定内労働時間(所定内労働 + 法定内時間外労働)が上限の44時間を超過してしまったため、超過した4時間が時間外労働時間に計上されます。

 

集計の補足①

[特例措置(週44)]は、 所定日の労働を優先的に計算します。

(例)
・週の開始日:土曜日
・土日祝日が休日のカレンダー(所定労働日は月〜金)
この場合、集計する週の範囲と集計の順番は以下の通りになります。

●集計する週の範囲: 3/2(土), 3/3(日), 3/4(月), 3/5(火), 3/6(水), 3/7(木), 3/8(金)
●集計する日の順番: 3/4(月), 3/5(火), 3/6(水), 3/7(木), 3/8(金), 3/2(土), 3/3(日)

この状況で、以下のように働いた場合を例に挙げます。
・3/2(土) 振替出勤 8時間勤務
・3/4(月)〜3/8(金) 各曜日8時間勤務(計40時間)

もし、3/2(土)から順番に集計するのであれば、3/8(金)に4時間働いた時点で週44時間を超過し、3/8(金)に4時間の法定時間外労働が集計されることになります。
しかし実際には、所定日である月曜日から集計するため、3/2(土)の4時間が法定時間外労働として集計されることになります。

集計の補足②

[特例措置(週44)]を利用した場合、「その日が所定内労働を計算しない日かどうか」を確認して集計するようになります。
例えば、週の勤務日が月曜日から金曜日までの5日間の場合、6日目にあたる土曜日や日曜日の勤務に対しこの条件が適用されます。また、カレンダーやシフトの設定で、元が休日だった日から優先して適用される仕組みになっています。

これらに該当した場合、所定内労働時間には計算されなくなり、週で44時間に満ちていない時間は [法定内時間外労働] として、44時間を超えた時間を [法定時間外労働] として計算されます。

特例措置(週44):対象
週内の 法定内労働時間( 所定内労働 + 法定内時間外労働 )44時間超過分
残業時間/残業時間36/法定時間外労働に計上される仕組み

【設定方法】「1ヶ月変形の集計:集計する」&「特例措置(週44):対象」

1)勤怠設定

[システム設定>勤怠設定>集計期間・36協定タブ]より以下の設定を行います
・週の開始曜日

[システム設定>勤怠設定>勤務形態タブ]より以下の設定を行います
・1ヶ月変形の集計:利用する
・特例措置(週44):利用する
・1ヶ月単位の総枠(週44):暦日ごとの月法定労働時間を登録する

2)社員設定

[システム設定>社員]より以下の設定を行います
・週40時間超の集計:集計する
・特例措置(週44):対象

【集計方法】「1ヶ月変形の集計:集計する」&「特例措置(週44):対象」

集計事例

●勤怠設定>1ヶ月単位の総枠(週44):140:00 
●25日までの法定内労働時間(所定内労働 + 法定内時間外労働)  136:00 の場合 

上記の例の場合、26日の時点で1ヶ月単位の総枠(週44)140:00を超過するため、26日の4時間と27日以降の勤務時間が残業として集計されます。

集計の補足

[1か月変形の集計]を利用した場合、「その日が所定内労働を計算しない日かどうか」を確認して集計するようになります。
例えば、カレンダーやシフトの設定で元が休日だった日の勤務に対しこの条件が適用されます。

これに該当した場合、所定内労働時間には計算されなくなり、月の法定労働時間に満ちていない時間は [法定内時間外労働] として、月の法定労働時間を超えた時間を [法定時間外労働] として計算されます。

1か月変形の集計:利用する
月内の 法定内労働時間(所定内労働 + 法定内時間外労働)月の法定労働時間を超えた分
残業時間/残業時間36/法定時間外労働 に計上する仕組み

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